226
ふるものは
雪。霰。霙はにくけれど、雪の眞白にてまじりたるをかし。雪は檜皮葺いとめでたし。少し消えがたになりたるほど、又いと多うは降らぬが、瓦の目ごとに入りて、黒う眞白に見えたる、いとをかし。時雨。霰は板屋。霜も板屋。庭。
227
日は
入日、入りはてぬる山際に、ひかりの猶とまりて、赤う見ゆるに、うす黄ばみたる雲のたなびきたる、いとあはれなり。
228
月は
有明。東の山の端に、ほそうて出づるほどあはれなり。
229
星は
昂星。牽牛。明星。長庚。流星をだになからましかば、まして。
230
雲は
しろき。むらさき。黒き雲あはれなり。風吹くをりの天雲。明け離るるほどの黒き雲の、やうやう白くなりゆくもいとをかし。朝にさる色とかや、文にも作りけり。月のいと明き面に、薄き雲いとあはれなり。
逸40
霧は
川霧。



